楡山神社

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楡山神社は、深谷市原郷にある神社である。深谷市の原郷・常盤町地域を含む。『延喜式神名帳』に「武蔵国幡羅郡四座」のうちの一社「楡山神社」とある古社(延喜式内社)。

所在地
埼玉県深谷市原郷336

由緒と沿革[編集]

 五代孝昭天皇の御代の御鎮座という言い伝えがあった。
 延喜年間(平安時代)、醍醐天皇の御代の「延喜式」の「神名帳」に「武蔵国旛羅郡四座」のうちの一社「楡山神社」とある古社である。「延喜式内社」といわれる。
 この地は幡羅太郎道宗の再興になる地といい、神社近くに幡羅太郎館跡がある。康平年間(1058~1065)、源義家の奥州征伐の時、幡羅太郎の子の成田助高は、当社に立ち寄って戦勝を祈願したといい、代々の成田氏の崇敬が篤かったという。
 「幡羅郡総鎮守」、「幡羅郡總社」あるいは「幡羅大神」とも呼ばれ、神田も多かったという。幡羅郡は、中世までは「はらぐん」「はらのこおり」と読まれた。当地が幡羅郡幡羅郷の中心部であったことから「原ノ郷」「原之郷」の村名となったという。
 江戸時代には、愛宕神社(原郷)を「小鎮守」と呼び、楡山神社を「大鎮守」との俗称もあった。瑠璃光寺を別当とし、「楡山神社」の社名の他に「楡山熊野社」(新編武蔵国風土記稿)、「熊野三社大権現」(扁額)などの呼称もあった。
 明治五年、旧入間県八大区を代表する「郷社」に制定される。八大区の範囲は、旧幡羅郡全域、旧大里郡荒川以北、旧榛沢郡の大半(深谷・藤沢・武川・花園・用土・寄居・大寄の一部)に渡り、深谷熊谷妻沼寄居の四市街地を含む。のち郷社は複数となり、大正12年には「県社」に昇格。
 節分当日の年越祭については、江戸時代からも豆蒔きは盛んだったが、大正元年改元記念として福迎講を設けて盛大な行事となり、現在に至る。戦前までの「花火の余興」は、「山本流と称する上杉伝来の仕掛花火にして、古く当地に伝来せるもの」だった。

祭神
伊邪那美命(いざなみのみこと)
御社名の由来
御神域一帯に楡の木が多かったことによる。正面大鳥居の脇の楡の古木一本は、代々御神木と崇められ、埼玉県の天然記念物に指定されていたが、近年枯損し、現在は北鳥居脇の古木を、筆頭の御神木としている。
御神紋
八咫烏
里人不入の地
「古へ本社の後方に一の塚あり。塚には洞口ありて、里人その周囲を不入の地となし、これを犯せる者 災害にかかるという。里人 忌服を厳守するの風あり」(大里郡神社誌)

社殿と工作物[編集]

本殿
春日造、欅桧楡材、造営年不詳。明治以前は屋根は桧皮葺で千木と鰹木があり、柱などに葵の紋金具があったといわれる。
幣殿
平成11年、御即位10年記念改築。
拝殿
明治43年御再建。和算の問題を解いた記念の算額が掲げられている。
神楽殿
昭和10年、参宮記念造営。
社務所
平成7年改築。旧社務所は元別当東学院御堂を改修したもの。
鳥居(東正面)
楡材による
幟旗  
嘉永五年「旛羅郡總社」と書す。


祭典[編集]

1月3日
元始祭(げんしさい)
2月節分
年越祭(としこしさい)
3月3日
祈年祭(きねんさい)鎮火祭(ちんかさい)浦安の舞・豊栄の舞の奉納
4月15日
愛宕祭(あたごさい)愛宕神社(原郷)の例祭
7月28日
道饗祭(どうきょうさい)八坂祭
10月20日
例祭(れいさい) 浦安の舞・豊栄の舞の奉納
12月31日
大祓(おほはらへ、おほばらひ)

碑文[編集]

楡山神社昇格記念碑
内務大臣法学博士水野錬太郎題額

埼玉県大里郡幡羅村は、往昔の武蔵国幡羅郡幡羅郷に当り、古くより地方の要枢とせらりし所なり。此処に宮居定めて郡の総鎮守ともて斎き奉る楡山神社は、いつの世に鎮まりましけん。事古りてこれを究むるに由なしと雖も、早く醍醐天皇の御宇に定められし延喜の制に、小社と録せられて祈年の国幣に預かる神社の班に入り給ふ。即ち知る、国司所祭の神として本国四十四座の官祀の一に列し、朝廷の尊崇を享け給ひしを。社伝によるに、楡山の称は、神域に楡樹の甚多かりしに因るといふ。就中今日に残れる古木一樹は、毅然として社頭に聳え、今も千古の翠色を更へず、崇めて神木と為す。中世以降の変遷明らかならざれども、世々の領主の崇敬浅からず、供進の田園数十町の多きに達せりと伝へらる。近代に至り俗に熊野社といはれしもなほ往時の規模を失はざりき。維新の後、明治五年入間県第八大区の郷社と定められ、爾来闔郡の宗祀と仰がれしが、此に本年七月二日を以て、昇せて県社に列せられ給ふ。此に於て、予てより御社の奉為に力を尽せる奉賛会の人々等、胥謀石文を建てて御由緒の梗概を誌し、この慶事を永遠に記念することとなしつる。あはれ大神の稜威は、年々に広がり行く楡の木陰とともに至らぬ隈もなく、御社の栄は、武蔵野の果なき如く極まる時を知らざるべし。  大正十二年七月二日  考證官文学博士  宮地直一撰  官幣大社氷川神社宮司 額賀大直書

深谷市指定文化財[編集]

鳥居扁額
楡材。佐々木文山筆、「熊野三社大権現」と記す。
石笛(いわぶえ)
海産天然石、長さ1尺1寸。
和琴(わごん)

外部リンク[編集]

楡山神社公式ホームページ